炭水化物(デンプン)は犬には不必要ではないのでしょうか?
炭水化物については様々な議論がありますが、ZENでは炭水化物は全く不必要という考えではなく、タンパク質、脂質、炭水化物をバランスよく摂取することが健康にとって最も良いと考えています。
その子の消化能力を超えたタンパク質を摂取すると、未消化のタンパク質が腸内へ到達し、下痢等を起こす場合があり、タンパク質の消化過程において体内で発生する毒性の強いアンモニアや硫化水素等のガスは、体内で解毒する際に肝臓等に負担をかけます。タンパク質が少なければ、筋肉の減少等が起こり、健康面にマイナスが生じます。
デンプンは体内でブドウ糖等の単糖類に分解されてエネルギーとして利用されます。エネルギーとして必要となる糖が不足している場合には、糖新生によりタンパク質等から糖を生成することが出来ますが、わざわざ内臓で変換せずとも糖を直接摂取したほうが効率がいいはずです。また、良好な腸内フローラを構成する一部の腸内細菌は、炭水化物を餌にして増殖することが知られています。
犬はデンプンを消化することができないと言われることがあります。確かに生のデンプンは難消化性ですが、製造工程においてアルファ化されたデンプンは容易に吸収されるため、一般的なペットフードにおいては当てはまりません。
狼と同等の食生活が全てのイエイヌにとっても最も良いと言われることがありますが、私たちは以下の点でそのように考えておりません。
- 近年の研究結果において、イエイヌは人とともに暮らしてきた進化の過程で狼と比べて強いアミラーゼ活性を獲得したとされていて、イエイヌと狼の消化能力は異なっていること。
- 犬の唾液のアミラーゼ活性は極めて低いとされているが、アミラーゼは膵臓で作られる膵液に含まれており、消化過程でアミラーゼが全く作られないわけではないこと。
ZENではタンパク質、脂肪、炭水化物其々のバランスが大切だと考えていますので、その考えを元にレシピを研究し、日本の室内犬に合わせたレシピとなっています。